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摂食障害当事者研究報告~

6月27日(日)摂食障害当事者研究を行いました。参加者は9名(事務所3名,オンライン6名)でした。
厚生労働省の「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス総合サイト」の中に,「こころの病気を知る」というコーナーがあり,その中に摂食障害についての説明も含まれています(https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_eat.html)。
この日はここから,一般に治療に含まれる内容として挙げられている10項目のうち2つ,「④症状(摂食・行動・身体・心理・社会面)の記録や、モニターをします」「⑦正常な食習慣を指導します」について議論しました。
記録については,食事量や行動記録については,していない,したことがない,記録は意味があるのかと疑問だというメンバーが大半でした。食事量よりもむしろ,日々の心理状態や感情を記録しておくことが重要だという意見が複数のメンバーから出ました。
医療者側としたら食事量がわかると栄養指導がしやすいなどの利点があるのかもしれませんが,一方で当事者側は食事に対してデリケートになっているので率直に報告したくない気持ちもあります。
記録をとって自分自身が後で見て落ち込むようであれば記録の意味がないので,当事者にとっても医療者にとっても気持ちが楽になるような記録のあり方はないのかと考えました。
正常な食習慣についても様々な意見が出ました。摂食障害当事者でない普通の人は,正常な食習慣を実行しているのかという疑問が複数のメンバーから出ました。
一方で,食事の量や内容が基準値からあまりにも逸脱して生命維持が危ないレベルであれば医療の知識として理屈から理解するのは大事という意見もありました。各々のメンバーの家族や友人(当事者でない人)の食事に対する姿勢を意見交換したりしました。
摂食障害当事者は食べ物にこだわりのある人が多く,カロリーや体重という数字へのとらわれも強いです。しかし,普通の人は深く考えずに食べたい物を食べたいように食べて,多少栄養バランスが崩れていても,健康に良くないような食べ方であっても幸せに暮らしていて,体と心で満足している人が多いようです(と,筆者は思いました)。
食べることは生きることとよく言われますが,結局はどう生きたいかということがどう食べたいかにつながっているようにも思いました。
次回の摂食障害当事者研究は7月25日(日)14時~16時です。
「摂食障害当事者研究」の参加については,原則として「摂食障害当事者のみ」「ガジュマルの船の会員のみ」に限定しています。
興味のある方はお問い合わせ下さい。
会員,賛助会員大募集中です。ひとりで苦しんでいる仲間とつながって「生きていていい」とお互い確認し合いたいです。(KSH)