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11月28日(日)読書会無事終了しました。

11月28日(日)読書会無事終了しました。

 

出席者は5名(事務所3名,オンライン2名,途中で1名退出)でした。

今回の課題本は「いま,会いにゆきます」(市川拓司)でした。

「大好きだった妻の澪が亡くなって1年、身体にさまざまな不具合を抱えた巧は、町の小さな司法書士事務所に勤めながら、6歳になる一人息子の佑司とひっそりと暮らしていた。再び巡ってきた雨の季節の週末、いつもどおりの散歩に出かけた町はずれの森で、この父と子二人に奇跡が訪れる。哀しい未来を知りながら、それでも愛しい存在に向かって発せられる言葉。その深く強く優しい決意に、きっと心打たれるはずです。市川拓司ワールドの原点をなす最上の恋愛小説。」(「BOOK」データベースより)

 

2003年初版発行で,日本と韓国で映画化もされた話題作ですが,実は小説を読んだことがなかったメンバーが多数でした。

いつものように,本の内容に関わることも,本から連想したテーマも,ざっくばらんに幅広く話し合いました。

 

話し合ったことは,以下のような感じです。

・最後は読者に何を伝えたいかわからなくて少し読後もやもやが残った

・主人公が身体にさまざまな不具合を抱えているが,日常の常識がわからなかったりできないことがあったりする描写にリアリティを感じた

・主人公の妻が産後体調が悪くて亡くなっているが,出産は実は命がけである。

・亡くなってくる人にもう一度会えるというのはありなのか? 嬉しいけれどもう1度別れなければならないと考えたら余計に悲しいのではないか。

・周りの人との死別の体験,最後に会った時のこと

・小さい子どもを育てるのは大変でとてもしんどい。子どもに何かがあったら親の責任だという人がいるけれどそうなのだろうか。この主人公は息子(佑司)を育てるのは大変だっただろう 佑司はこの後,親に甘えられるのだろうか。

・お金が人生においてどのくらい大事だろう。健康状態が1番でお金が2番。いや,しかし健康が戻っていなくても周りに止められても無理にでも働こうとする依存症者も少なからずいるから,どうなのだろう?

・共依存についていろいろ。共依存とは何か?

・精神障害,発達障害,「普通」,「健常」の捉え方。障害ということにすれば落ち着く部分もあるのではないか。HSP,うつ病,アダルトチルドレンという概念について,安易に使われているところがないだろうか。

 

個人的には,「生と死」についての話し合いが印象に残りました。誰でもいつかは死ぬし,身近な人との死別も何度か経験するのは避けられないことです。摂食障害や処方薬依存,アルコール依存は身体にも影響を及ぼすので,早くに死を迎える仲間も少なからずいます(悲しいことですが)。いかに人と出会うか。家族,友人,仲間,支援者。毎日会う人もいれば,時々しか会わない人もおり,以前は頻繁に会っていたが最近は会わなくなった人もいる。会いたいときに会いたい人に会えることの幸せ,「またね」と別れて次に再び会えることの幸せ,自分の生を様々な人との出会いの中で生ききること,いろいろなことを感じました。

 

次回読書会は12月12日(日)14時~16時。課題本は「わたしを離さないで」(カズオ・イシグロ 2008年)です。事務所とオンライン併用の予定です。

「優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設ヘールシャムの親友トミーやルースも提供者だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度…。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく―全読書人の魂を揺さぶる、ブッカー賞作家の新たなる代表作。」((「BOOK」データベースより)

 

…私が書くと長いなあ。まあいいや(by KSH)